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総合型地域スポーツクラブ支援、始まる! (1)

子どもたちに負けるな、学生諸君!

仲良く“パーマンごっこ”

長野県では、子どもから高齢者まで地域の誰もが参加でき、継続的に運動を行い、交流を深め心身の健康を育む、総合型地域スポーツクラブの活動が活発になってきています。本学には、こうしたクラブなどから学生による企画・指導の依頼が多くあります。学生にとってこのような体験学習は、企画力・マネジメント力といった実践力を養うよい機会になっています。

先日、スポーツ健康学科の学生による活動支援が行われました。そのレポートを2回にわけてお送りします。



総合型スポーツクラブの活動を通じて、生涯スポーツの振興に関わろうという地域のスポーツ愛好家たちがキーマンとなり、松本市近郊に現在8つ(松本市5、安曇野市1、塩尻市2)の総合型スポーツクラブが設立(または設立準備)されている。

総合型スポーツクラブ設立のねらいは、生涯スポーツの推進・振興に加え、スポーツによるコミュニティの創造(地域交流)を含むものである。設立後の各クラブにおいては、その活動を広く知らしめ、地域に根付かせるための様々な試みがなされている。しかし、設立後の各クラブ運営は必ずしも順調な状況とばかりは言えない。拠点となるクラブハウスや指導スタッフなど確保の難しさ、プログラム企画・運営維持費用捻出のための負担増など、幅広いマネジメント力が求められている。特に取り上げられるのが指導者不足である。



5月19日(土)、総合型スポーツクラブ・スポネット常念「親子運動あそび」の活動支援に、スポーツ健康学科でレクリエーションを学ぶ学生4名が参加した。集まった7組19人の親子に、運動を通じて人と交わり、家族間の関係を結びながらスポーツする楽しさを感じてもらうことを目標としたこの活動は、学生にとって実戦的なレクリエーション支援技術習得の場となった。

運動することの楽しさを伝え、人々の交流のきっかけを創るためには、対象者の緊張や消極的な姿勢を受け留め、いたずら(ふざけ)さえも許容する支援者側の雰囲気つくりと受容的態度は欠かせない。 緊張の面持ちで体育館の隅で開始を待っていた親子に向けた最初のプログラムは、「おらほのラジオ体操」(東北復興支援バージョン)。東北弁での解説が入る、ラジオ体操第一を実施した。



その後は、子どもたちの提案を受け入れながら、フライングディスク、ドッジビー、縄跳び、ゴム跳び、ピクニックシートを使った課題解決型協力ゲームを実施した。最後のボール投げでは、参加していたお父さんの惚れ惚れする投球動作の試技に、参加していたお母さんたちは見とれ、何より父親のパフォーマンスを観る誇らしげな子の表情が印象に残った。

活動開始当初は離れることができなかったそれぞれの親子の姿が、最後の集合では親同士は遠巻きに子どもたちを概観し、子どもたちは学生の周り座り込み、クールダウンのプログラムに用意したクイズに挑戦という構図に変化した。



子どもたちが笑顔になり、子どもの元気が親の表情を明るくする。休憩時間にはパーマンごっこも飛び出して、そんなこんなで、身体以上に心が動いた2時間は、指導が未熟でも、謙虚な学生の姿勢はそれだけで会場に許容的雰囲気を醸し出すのかと振り返ることのできる時間であった。




本稿は、スポーツ健康学科 犬飼己紀子教授より寄稿いただきました。
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