教育・研究

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教育・研究活動

科学研究費助成事業

科学研究費助成事業に採択されている本学教員の研究

インスリン誘導性転写因子の作用機序と食餌と病態による遺伝子発現制御

期間
平成29年度~平成31年度
所属
松本大学大学院 健康科学研究科 山田一哉 教授
応募先
日本学術振興会
概要
私たちは、毎日三食、食べますね。食物中に含まれていた炭水化物は、ブドウ糖にまで消化されてから体内に吸収されます。ですので、食後一次的に血液中のブドウ糖濃度(血糖値といいます)は上昇しますが、通常はすぐに元のレベルに戻ります。血糖値が高い状態は健康に良くない状態です。長く続く場合には、糖尿病という病気になることがあります。健康な人では、血糖値が高いときには膵臓のβ細胞からインスリンという物質が分泌されます。インスリンは肝臓にはたらきかけてブドウ糖の合成・分泌を減らしたり、筋肉・脂肪組織にはたらきかけてブドウ糖の血液中から細胞への取り込みを増やします。こうして血糖値は下がるのです。
本研究では、インスリンのはたらきを仲介する SHARPs という物質に注目して、膵臓のβ細胞や肝臓・筋肉・脂肪組織で SHARPs がはたらくしくみや、ブドウ糖や糖尿病による SHARPs 遺伝子のはたらき方の変化について調べます。

発達障害などの発達困難を有する非行少年の現状と地域生活移行支援に関する調査研究

期間
平成29年度~平成31年度
所属
教育学部 学校教育学科 内藤千尋 専任講師
応募先
日本学術振興会
概要
現代の子どもを取り巻く様々な環境要因により、発達障害の診断・判定に限らず身体症状・身体の不器用さ等、発達に何らかの困難を有する子どもたちが少なくありません。
少年非行に関わる児童自立支援施設や少年院等の入所少年にも同様の傾向が見られます。発達障害等の発達困難が直接的に不適応・非行等に至るわけではなく、施設等の入所までに発達障害等に応じた適切な発達支援を受けられず、貧困、養育放棄(ネグレクト)、無理解、被虐待やいじめ等の劣悪な環境で育ち、そのことが非行や少年院入院の一因になっている者が一定数いることが予想されます。
様々な負の要因が絡み合った結果の現れの一つとして、虞犯・非行等の「不適応状態」にある彼らは発達の機会から阻害されている可能性があり、教育的ニーズは高いといえます。彼らの成長・発達や自立に向けては本人・当事者の「声」に丁寧に寄り添い、地域・家庭・学校や福祉等の関係諸機関の連携による適切かつ継続的な支援が求められています。
課題解決のためには、少年鑑別所や更生保護における支援の現状を明らかにすることが不可欠であり、また、実際に少年院等を経験した発達障害やそれに類似した発達に困難を抱える本人に対する立ち直り・地域移行支援に関する調査を通して、発達障害等と非行を併せもつ青少年の発達支援や健全育成の課題を明らかにすることが必要と考えられます。
それゆえに本研究では、非行と発達障害等の発達困難を有する本人・当事者の立ち直りに関する面接法調査、および少年非行の矯正教育・更生保護機関である少年院・少年鑑別所・保護観察所・更生保護施設等の職員調査を通して、非行少年の立ち直りに必要な発達支援と地域移行支援の課題を明らかしていくことを目的としています。

ダウンサイジング下の新たな教育のガバナンスとコミュニティの生成に関する総合的研究

期間
平成26年度~平成29年度
所属
教育学部 学校教育学科 武者一弘 教授
応募先
日本学術振興会
概要
本研究の目的は、1990年代後半以降の少子高齢化による人口と生活圏のダウンサイジングを所与の条件として、構造改革と地方分権改革が進行する中で生まれてきた、「新たな教育のガバナンスとコミュニティのあり方」と、「そこに胚胎する思想」を明らかにすることにあります。学校統廃合とコミュニティスクールの設置が研究の切り口となります。このときガバナンスとコミュニティに関する行政学、福祉学、都市計画学などの研究、国内外の実証的な事例研究の知見に学びつつ、教育学に内発的な教育のガバナンスとコミュニティの理論的特質の解明にも迫ろうとしています。なお、ここで教育のガバナンスとは、教育意思の表明・合意・実現をいい、教育のコミュニティとは教育のガバナンスの単位を指しています。
本研究は、少子高齢化が進行する現代日本にとって、とりわけ信州のような中山間地や郡部を多く抱える県にとって、多くの有益な示唆を与えてくれるものと考えています。

食を伝える新しい異世代間地域ネットワークづくりのための参加型アクションリサーチ

期間
平成27年度~平成29年度
所属
松本大学大学院 健康科学研究科 廣田直子 教授
応募先
日本学術振興会
概要
長野県は、現在、都道府県別の平均寿命が男女ともに1位です。その要因について全国的に関心が高まっていますが、地区組織活動のひとつである食生活改善推進員等の活動が活発に行われており、こうした組織が地域における健康づくりに貢献し、これらの組織を基盤としたソーシャルキャピタルが良好な状態に保たれていることも要因の一つといわれています。食生活改善推進員が伝統的な食事を踏まえた上で、現在の食事の課題を学び、適切な食生活のあり方について伝えてきた地域内における横のネットワークの功績は大きいはずです。
一方、日本一長寿の長野県でも若年者や子どもたちの健康課題は深刻化しており、その要因の一つは、これまでは家庭の中で伝承されていた健康につながる食習慣等の継承がなされない、つまり家庭内における縦のネットワークの弱体化があるのではないかと考えました。
そこで、本申請研究では、地域内において家庭の枠を外してライフステージをつなぐ斜めのネットワークの構築、つまり、健康寿命の延伸に結びつく食を伝える新しい異世代間地域ネットワークづくりを推進したいと考えています。具体的には、異世代間地域ネットワークとして、食生活改善推進員であるシニア世代と高校生がともに行う活動のモデルプログラムを構築し、高校生による食改ユースの組織化の基盤づくりをめざします。活動成果をみるにあたって、プロセス評価指標を検討し、参加者のアウトカム指標を加えて評価法を検証した上で活動の推進を図り、その成果を科学的に検証する予定です。
さらに、その活動プログラムを地域や行政と連携して長野県全体へ、さらに全国へと発信することをめざします。長野県は食生活改善推進員の活動が活発であり、先進的な活動モデルを構築する上で、優れた地域です。参加型アクションリサーチとして取り組み、丁寧に科学的エビデンスに基づいた検証を行っていきたいと考えています。

地域企業における国内・外事業の関連性にかかる研究

期間
平成26年度~平成29年度
所属
総合経営学部 総合経営学科 兼村智也 教授
応募先
日本学術振興会
概要
企業にとって海外進出は現地市場の獲得のみならず、国内での事業(売上・雇用)拡大の契機になっているとの指摘がある。
近年では、地域の雇用を支える中小企業(地域企業)でも海外進出がみられるようになったが、地域企業でもこうしたケースはみられるのだろうか。また、それはどの程度あり、そうでない他の進出企業に比べて、どのような特徴をもつのだろうか。その際、国内・外の事業拡大にとって必要な経営資源はどのように調達・獲得されているのであろうか。一方で、海外事業は拡大しているが、国内事業は縮小する地域企業とはどのような企業なのか。また、これらの企業は現在の状況に至るまで、どのようなプロセスを踏んでいったのであろうか、について海外進出する地域企業が多くみられ、かつ一定の進出歴もあり、業種も多岐にわたる長野県企業を対象に明らかにする。

宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくるための新規エピジェネティクス理論確立

期間
平成28年度~平成29年度
所属
松本大学大学院 健康科学研究科 河野史倫 准教授
応募先
日本学術振興会
概要
NASAは、2030年代に人類を火星へ送る「有人火星探査ミッション」を計画しています。有人火星探査には、物資補給が不可能な最長3年の宇宙滞在が必要とされ、どのようなものを船内に搭載すべきかが重要な課題になります。重力の無い宇宙環境では、重力に対抗した身体活動の必要が無くなり、筋肉や骨、心循環機能などが著しく衰えます。
このような身体機能の低下は、地上での”寝たきり”と酷似していると言われています。そのため現在の国際宇宙ステーションでは、トレーニング機器を使った1日2時間の運動が行われています。しかし、スペースや振動発生、温度上昇、搭載物量の問題から、現在と同等のトレーニング機器を火星探査船に搭載するのは困難だと考えられます。 そこで、地上において”宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくる”ことで、最小限の運動でも宇宙飛行士の健康を維持できないかと考え、本研究を立案しました。どのような運動歴や食習慣、またはその期間や頻度、を持つ人が宇宙滞在の影響を受けにくいのか、骨格筋の機能と遺伝子応答(エピジェネティクス)の関係に焦点を当てて明らかにしていきます。「寝たきりでも健康でいられる」という現代社会の概念を飛び越えたゴールを見据え、宇宙そして地上における新しい健康に対する考え方の確立を目指します。

運動効果獲得の個体差を理解するための骨格筋エピジェネティクス研究

期間
平成28年度~平成31年度
所属
松本大学大学院 健康科学研究科 河野史倫 准教授
応募先
日本学術振興会
概要
運動によるエネルギー代謝の増加が、肥満や糖尿病などを予防・改善することはよく知られています。一方で、同じように運動を行っても、その運動効果の表れ方には個体差があることもまた事実です。しかし、このような現象がなぜ起こるのかを説明できる理論は、現在のところ解明されていません。そこで我々は、骨格筋において「個体差はエピジェネティクスによって引き起こされる」のではないかと仮説を立てました。
エピジェネティクスは、遺伝情報に依存しない遺伝子の転写制御であり、遺伝子を取り巻く環境(エピゲノム)が転写応答の強弱に影響を与えることが知られています。運動効果の個体差が発生するメカニズムとして、「過去に受けた生理刺激」が「エピゲノム変化として骨格筋に蓄積」し、将来的な運動に対する応答性に影響を及ぼす可能性があると考えています。
本研究では、運動や運動不足、食習慣、重力刺激がどのように骨格筋のエピゲノム変化を起こし遺伝子の応答性に関わるのか?という点に着目し、個体差発生のメカニズム解明に迫ります。スポーツや運動による健康づくりにおいて、「どれくらいの運動習慣があれば病気になりにくいのか?」、「どのようなパラメータを評価すれば、将来の生活習慣病リスク診断や健康寿命予測が可能か?」という疑問は、究極的な到達点と言えます。本研究は、それらの疑問を解決するための切り口となる研究に位置づけられます。

地域社会での看取りはいかにして可能か―イタリアをフィールドとして

期間
平成28年度~平成30年度
所属
松本大学大学院 健康科学研究科 福島智子 准教授
応募先
日本学術振興会
概要
死にゆく人びとを対象としたホスピスケアの誕生から約半世紀が経過し、日本を含めた先進国ではその在り方が問われています。
超高齢社会を迎え、多くの人びとが病院や施設のみならず、在宅で死を迎える(迎えざるをえない)時代となっていますが、死にゆく本人や看取る人びと(家族や医療者、介護者)が満足できる死、あるいは看取りとはどのようなものかが、あらゆる場面で模索されています。
本研究では、約半数が在宅死を迎えるイタリア社会(二都市)を取り上げ、地域社会での看取りがいかにして可能かを、現地調査を通じて明らかにします。

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