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2011/03/23

「高齢化社会対応セミナー」実施報告

太田知孝先生による講演

講演する藤波教授

3月19日(土曜日)、長野銀行主催、本学共催による「高齢化社会対応セミナー」が長野市のホクト文化ホールで開催されました。

 最初に中條功長野銀行頭取から開会の言葉があり、続いて基調講演として、私、藤波が、「高齢者の資産運用と経済発展」という題でお話しさせていただきました。そして、司法書士の太田知孝先生から「成年後見制度の実際」という題で成年後見制度の概要をお話いただきました。

 メインの講演は、女性講談師の神田織音氏による成年後見講談を3話お話いただき、太田先生からそれぞれについて法的な解説を行っていただきました。

 そして、私から団塊の世代の資産運用について日本経済新聞の夕刊コラムを用いて解説をさせていただき、最後に大槻伸夫長野銀行常務の閉会の言葉で終了しました。

 今回のセミナーでは一昨年と同様に成年後見制度のお話をメインとさせていただきましたが、投資信託による資産運用の重要性も説明させていただきました。成年後見制度と信託の制度には大きな共通点があります。それは成年後見制度は民法の「代理」の制度であり、この代理と信託は共に他人のための財産管理の手法という点です。

「信託制度の活用が、わが国の高齢社会における財産管理へのきわめて有効な対応策となりうる」(注)のであり、実際、この4月から「後見制度支援信託」という新しい信託への取組みも始まり、成年後見制度における金銭管理の安全性を高める動きもあります。

 現役世代の人口の減少で将来不安を抱える人々も多いと思いますが、高齢者の資産を有効に活用する「攻めの姿勢」と安全に保管する「守りの姿勢」、この2点に着目してゆくことがこれからの時代には重要と思われます。

 今回のセミナーが、地域の方々が高齢化問題に取り組むための一助となればと思います。 

(注)新井誠『信託法第2版』有斐閣、293頁、2005年。


本文は、松商短期大学部の藤波大三郎教授が執筆しました。
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