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2018/04/13

教育を科学的に研究する「教育心理学」、そのなかで見えた「中学生の数学嫌い」は本当か?

教育学部授業紹介

教育学部学校教育学科
教授 守 一雄

心理学という学問は文系に位置付けられていますが、実際は人の心を科学的に研究する理系の学問です。そのため、実験をして、データを採取し、それを統計的に分析するという他の理系の科学と同様の研究方法が使われます。私が専門としている教育心理学は、教育に関わる諸現象についてそうした心理学的な研究方法で迫ろうとする学問分野です。

それでも、教育に関わる現象は、複雑な要因が影響を与えることや、何よりも生身の人間に関わることであるため、実験によって科学的に研究することが難しい領域です。そのため、教育心理学はまだ理系になりきっていない状態にあります。

そうした中で、教育を科学的に研究し、「証拠に基づく教育」を推進することが国際的な動向となってきています。本学の「教育心理学」の授業では、そうした「教育の科学化」や「証拠に基づく教育」の重要性を熱く講じています。(ちなみに、講義は英語で行なっています。)

教育を科学的に研究することで、今まで見えなかったことが見えてきます。その一つが、日本の中学生の数学の学力が世界でトップクラスであるにもかかわらず、アンケートでは「数学が嫌い」と答える不思議な現象の解明です。長野市立犀陵中学校で数学を教えている内田昭利先生と共同で行なってきた科学的研究について、わかりやすく紹介した本を出版しましたので、ご覧いただけると幸いです。今月7日に発行になり、4月18日頃には書店の店頭にも並ぶ予定です。

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