宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくる運動のための加速度センシング機構応用

概要

2030年代以降に計画されている火星探査ミッションは、物資補給が不可能は最長3年間の宇宙滞在を伴います。重力のない環境で起こる身体機能低下を予防するために、現在は1日2時間の運動を国際宇宙ステーションでは実施しています。しかし、スペースや振動などの問題から、火星探査船には現在と同等の運動機材を搭載するのは不可能であるとされています。したがって、宇宙空間でも効率良く運動効果を獲得できるための運動方法理論が求められています。
本研究テーマでは、地上での運動時に受ける“加速度”に着目し、身体が加速度を感受する仕組みを明らかにします。さらにその仕組みを運動方法に応用し、運動効果が上がりやすくなるのか検証します。以上の研究結果から運動効果を引き出すための新しい方法論を提案することが、本研究テーマの達成目標です。宇宙滞在中は、運動したくても地上のようにはできない環境に晒されます。これは加齢や疾患、寝たきりなどによって運動が困難になった状態とも類似します。本研究テーマの成果は、宇宙だけでなく地上においても、あらゆるライフステージの健康処方に活かせるものであると期待しています。