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  4. 「食品衛生学実験」 vol.18 残留農薬の検出

[ 2014.07.16 ]

研究

人間健康学部 健康栄養学科 教授 髙木 勝広


今回は、残留農薬の実験です。

「農薬」というと、危険や不安をイメージする人も少なくありませんが、生産者側からすれば、農作物の収量増加や草取りなどの労働低減といった大きな功績があるも事実です。食品中に残留する農薬については、国や地方自治体および民間の検査機関において、分析・調査が行われ、一応その安全性は確保されています。
そうは言っても・・・という不安が付きまとってしまう社会背景もありますが、私たちはあくまでも科学的に物事を考えていく癖を付けて行かなくてはなりません。
その第一歩として、実験では実際に試料中の農薬の分析をすることにしました。

まずはじめに、試料中から農薬を分離します。
固相抽出法は、有効な分離手法として残留農薬分析が広く用いられているので、それを採用しました。
一番上の写真をご覧ください。注射器の先端に固相カラムを装着します。試料(液体)を、注射器の中に試料を注ぎ込み、カラムに通します。
農薬は、このカラムに特異的に結合するので、試料に含まれる他の成分と分けることができるのです。
抽出が終わったらいよいよ、分析です。
分析には、GC/MS(ジーシーマス:Gas Chromatograph/Mass Spectrometer)を用います。この機器は、スポーツ選手のドーピング検査でも使用される非常に優れた機器の一つです。どのような機器で、何かができるか等の説明をすると、学生の多くはこの機器の凄さに驚きます。

今回の分析結果から、試料中に含まれた農薬の種類とその量を算出することが出来ました。
こういった分析に興味をもち、将来「食の番人」たる食品衛生に関わる人材がここから輩出できたらと願っています。

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