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  4. マイナス金利政策を受け経営改革に取り組む地域金融機関について学ぶ

[ 2017.01.10 ]

教育

第2回講義風景(八十二銀行)

第4回講義風景(長野銀行)

第5回講義風景(松本信用金庫)

第6回講義風景(長野県信用組合)

総合経営学部総合経営学科
教授 太田 勉


総合経営学科の2016年度後期講義「地域金融事情」(3年次対象)では、多様な地域金融機関の役割や特徴を理解し、その利用方法を身につけることを狙いとして、地元金融機関等から幅広く特別講師をお招きし、実践的な連続特別講義(11回)を実施しました。
講義の概要は、次のとおりです。

全国に先駆けて2000年代初頭から人口減少社会を迎えた長野県では、これまで地域金融機関は地域活性化・地方創生に向けて取り組んできましたが、企業等の借入需要は盛り上がりを欠き、地元で集めた資金を地元に還元する役割(お金の地産池消)は後退し続けています。
加えて、昨年来、地域金融機関を取り巻く経営環境は目まぐるしく変化し、経営モデルの見直しを迫られています。
まずデフレ克服に取り組む日本銀行が16年2月から「マイナス金利政策」を導入した影響で、地域金融機関経営にとっては要となる利鞘が縮小し、収益が減少に転じました。
また海外では、英国のEU離脱決定(16年6月)や米国大統領選挙でのトランプ氏勝利(11月)など、予想外の出来事(ショック)が相次いで起き、市場が度々波乱に見舞われるなど、運用リスクが高まっています。
こうした中で、地域経済との共存共栄を目指す地域金融機関は、金融行政当局からの要請も踏まえながら他の金融機関や関係諸機関などとの連携を強化し、「経営モデルの改革」に取り組んでいます。
具体的には、①地方創生プロジェクトで地域企業の金融ニーズを把握し、②信州観光活性化を目的とするファンドを通じて資金需要の掘り起こしに積極的に取り組むほか、③金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック(FinTech)に力を入れるなど、地域経済の活性化に注力する動きを加速させているように窺われました。
就職活動を控えた受講生の多くが、厳しい経営環境の下で「地域創生」のリード役としての役割を果たそうと経営改革に努める地域金融機関に関心を抱いたように見受けられました。

今後とも学生がビジネスの世界に触れ、興味を抱く契機となるような企画を拡充していきたいと思います。

2016年度「地域金融事情」特別講義一覧

                
講義テーマ 実施日 講師
第1回 最近の銀行界の動向 10月11日 全国銀行協会
パブリック・リレーション部長
兼広報室室長
小川幹夫 様
第2回 地方創生に果たす金融の役割
―地域産業との関係性―
10月18日 八十二銀行 松本営業部
営業一部長 山岸伸弘 様
第3回 地域金融における大手銀行の役割と最近の動向 10月25日 みずほ銀行 松本支店
副支店長 石井秀樹 様
第4回 長野銀行の現況と役割 11月1日 長野銀行
常勤監査役 中島一志 様
第5回 松本信用金庫の役割と最近の動向 11月8日 松本信用金庫 融資部融資企画課
課長 遠藤晃 様
第6回 長野県信用組合の役割と戦略 11月15日 長野県信用組合
常勤理事 中澤資長 様
第7回 郵便局の役割と業務 11月22日 日本郵便株式会社 信越支社
損益・人事担当調整役 西條一寿 様
第8回 JAの地域金融機関としての役割 11月29日 長野県信連 JAバンク統括部
部長 寺島孝幸 様
第9回 長野県労働金庫の役割 12月6日 長野県労働金庫 松本支店
次長代理 野村真 様
第10回 政策金融機関の特徴と日本政策金融公庫の役割 12月13日 日本政策金融公庫 松本支店 国民生活事業
事業統括 高坂英樹 様
第11回 地銀系証券会社の経営戦略 12月20日 八十二証券
常務取締役 宮尾比呂史 様

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