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観光ホスピタリティ学科2つのアウトキャンパス・スタディ報告

観光ホスピタリティ学科では、ゼミナールや授業の一環として様々なフィールド調査を行なっています。今回は、「景観と観光」の授業で見学した塩尻市奈良井宿と、益山ゼミのホスピタリティ研究テーマの一つであるブライダルの現場、ワイナリーウエディングの視察の様子をご紹介します。

1.重要伝統的建造物群保存地区「奈良井宿」のフィールド調査(6月5日)

 まず「景観と観光」の授業では、景観に配慮した街づくりと観光について、様々な事例を取り入れながら学んでいます。長野県には、美しい自然景観、風土景観、そしてまち並み景観が数多く残されております。私たちは、景観を中心にしたまちづくりについて、そこに暮らす人々の声を聴いたり、先進的な街づくりに取り組んでいる行政の方々から直接話を聴くことによって、景観を意識した街に住むということはどのような苦労や喜びがあるのかを学びます。
 今回は長野県に4箇所ある、重要伝統的建造物群保存地区のうちの一つ、「奈良井宿」を見学しました。現在「奈良井宿」は塩尻市の一部ですが、平成17年までは楢川村の財産として長い間大切に保存されてきました。奈良井宿は、木曽路の中でも最大の難所の鳥居峠のふもとで栄えた宿場町でした。
 観光ホスピタリティ学科の我々を2時間かけてじっくりと案内して下さったのは、地元楢川村在住で、現在は塩尻市教育委員会の文化財ご担当の石井健郎さんと塩尻市生涯学習部の渡邊泰さんでした。
 奈良井宿は、昭和53年に国から重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けています。江戸末期の形式の町家が残っており、地域住民の町並みに関する関心も非常に高いと聞き感銘を受けました。街の景観を守るために、そこで生活しているひとりひとりが町並みを美しく保つ工夫を凝らしています。木造建築のため、宿場のあちこちに水場や消化栓の施設が完備されていますが、その一つ一つに住民の方々の愛情が感じられるものでした。


2.飯綱高原「サンクゼール」のワイナリーウエディング視察(5月30日)

「サンクゼール」は、上信越自動車道の信州中野インターを降りて30分ほど北に上がった飯綱高原の丘の上にあり、大変美しい場所にひっそりとたたずんで居ます。りんご畑とぶどう畑に囲まれたその場所から見下ろす風景はまるで南フランスの様です。美しい山並みと緑の畑が延々と続き、そこには「観たくないものは一切ない」風景があります。
 サンクゼールは、ぶどう畑、ワイナリー、レストラン、教会などの施設が、とても心地よく並んでおり、全てが緑豊かな自然に囲まれています。まずは、ぶどう作りの現場を見学し、どのような過程を経て、ぶどうが収穫され、熟成されてワインになるのかを丁寧に説明していただきました。その後、地元の食材にこだわった個性豊かなレストランやショップの見学、手作りの教会の見学の後、代表取締役の久世良三さんと牧師さんで奥様の久世まゆみさんから、サンクゼールの歴史やホスピタリティについてお話を伺いました。
 ワイナリーでの結婚式は、欧米では最近人気ですが、通常のホテルや結婚式場での挙式との最大の違いは、自然の中で家族的な雰囲気のオーダーメイド挙式ができるという点です。最近の結婚式は、演出や形式にこだわることが多い中、キリスト教の精神を理解した上での教会挙式と自然に育まれた披露宴は、ホスピタリティの原点である「人や自然に対する愛」の表現と重なるのではないかと考えさせられました。
 本文は、観光ホスピタリティ学科の益山代利子准教授から寄稿していただきました。
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