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アウトキャンパスレポート「食材と農業」

作業するその手には想いがこもります。

観光ホスピタリティ学科では、「食材と農業」という地域資源を学び掘り起こす講義を行っています。先日、その講義の中でハイライトとなるアウトキャンパスを、安曇野市三郷小倉の農家にお邪魔して実施しました。内容は農作業と収穫祭~命を食べる~です。この日は紅葉が盛りの美しい1日でした。
ご指導いただいたのは、農業体験をおぐらやま農場の松村暁生さん、安曇野地球宿の増田望三郎さん、津村農園の津村孝夫さんご夫妻。この講義の目的は二つあります。一つは、土から生まれる食材の実際を知るために農作業を分かれて体験し、その収穫したものを全員で調理して食べる過程を通して、食べる意味を実感することです。二つ目には、そうしたことを実体験できる「地域」をどのように活かしていくか、観光や地域を学ぶ者として考えることです。
当日は午前中に、堆肥撒き、大豆の脱穀、玉ねぎの定植といった農作業を分かれて体験したあと、合鴨農法で役目を終えた合鴨を屠畜・解体しました。鴨の解体は事前に講義で聞いていたので、皆それぞれに心構えをしてきたようでした。

生きている鴨の命を奪う瞬間は、その場にいるだけでさまざまな思いがよぎります。最初は「切ない」という自分の感情が、作業の過程で「美味しそう」に代わり、命をいただいているという事実。自分のできることに手をあげて、それぞれに一生懸命になって学生が作業に関わっていきます。

美味しい鴨汁とエゴマご飯、五平もちが出来上がりました。青空の中、全員で「いただきます」「ごちそうさま」をして、野菜とお米、合鴨全ての命を完食しました。

最後のふりかえりでは、農家の方からさまざまな思いが寄せられました。「美味しいものが好きな僕は、農家になって食材を生み出す場に携わることができる。日々を感謝して生きられることが幸せ。本当に農家をやっていて良かった。」とのコメントに、納得の学生たちでした。

本稿は、観光ホスピタリティ学科 中澤朋代専任講師より寄稿いただきました。
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