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2012/12/27
  • アウトキャンパス・スタディ事例

農業体験を通じた食教育-ごぼう掘り体験in 山形村

食品の官能評価鑑別論という健康栄養学科3年生の授業を担当しています。私は、農学部出身で食品メーカーに勤務していた事もあり、「食品開発は農業の理解から」が必要不可欠だと常日頃思っていました。そこで、かねてからお付き合いのあった山形村の生産現場で農業体験を実施させていただいてもう3年目になります。1年目は長芋の収穫体験を行い、2年目からはごぼうの収穫体験を行いました。山形村は長野県内のごぼう生産量の9割以上を占める一大産地であり、土壌が根菜類の栽培に適していることから、品質も非常によいものが取れます。学生には、ごぼうがどのように栽培されるかを知り、また生産者の栽培への思いや大変さを学ぶことで、食材として、また料理としての価値を高めてもらいたいという願いがあります。またこの学びの集大成は、学生にごぼう料理を作るという課題を課し、ごぼう料理コンテストを行うというイベントでもありました。ごぼうは食材としての花はないものの、名脇役として欠かせない存在ですが、学生の斬新なアイデアをもって、日の目をみるような料理に化けることを毎年期待しています。今年も様々な料理を考案し、このイベントは大いに盛り上がり、マスコミにも大きく取り上げていただきました。これらの料理は、お重に詰めて生産者へお届けしたほか、教職員にも試食していただきました。生産者の方々は大変喜んでくださり、今後も学生の教育にご協力いただけるものと思っております。大学のお膝元には学生の学びの場や研究の題材がたくさんあることが地域活動を通じて発見できます。さまざまな地域活動、地域との交流の形があると思いますが、こういった機会を学生に与え、考えさせ、地域と関わりながら、そのお礼を形で返していく。この循環を地道に行っていくことが地域活性に役立つのではないかと思っています。「農業を通じた地域活性化」を目ざして、これからもどんどん学生と一緒に外に出ていこうと思います。



健康栄養学科 矢内和博専任講師
平成24年12月21日
蒼穹第109号より
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