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2015/01/20
  • 教育研究情報

ネット社会に必要な「民度10か条」を「地域環境と民度」の受講生が作成

非常勤講師 江成康明


「地域環境と民度」の授業では、人として生きるためのルールやモラルについて講義してきました。
日常茶飯事に起きている犯罪を例にあらゆる角度から「民度」を取り上げましたが、現在、将来を見据えたうえで最も危惧されるのはネット犯罪の多様化であると判断し、ネット利用者としての心構えを受講生で話し合いました。

ネット犯罪は自分で気を付けることによって、ある程度の被害は避けられ、相手を傷つけることもなくなります。
そこで、利用者が注意すべき「10か条」を作ってみました。
受講生だけでなく、学生全員が同じような気持ちでネットに臨めば、利用価値のあるネットはますます便利で有効性のある機器になるものと信じています。



「ネット社会と民度」10か条

  1. 機械の冷たさ、人のぬくもりを感じよう
  2. ネット機器は簡単に扱うことができますが、書いたものや写真がただ掲載され、見る相手にそのまま伝わるだけです。他人の心に土足で踏み込むような書き込みがあっても、機器は何もしてくれません。内容が正しいものかどうかの判断もできません。でも、人間は会話をすれば理解してくれるし、アドバイス、忠告もしてくれます。相手の気持ちを尊重する人としてのぬくもりもあります。直接会って「話」をすることに努めましょう。


  3. 顔が見えないからこそ、自分の一言に重みがある。責任を持とう
  4. 対面していれば言えないことも、ネットでは容易に表現することができます。顔が見えないからといって何でも好き勝手に書いていいものではなく、書いたものには必ず責任が付きまといます。その一言が相手の自殺の原因になることも考えられます。言葉の重みを実感すれば、相手が傷つくことは書くまい、と思うようになるはずです。


  5. ウソの情報、本当の情報を見極めよう。量より質を重視して
  6. ネットを開けば、簡単に情報は手に入ります。しかし、その情報を誰が書いたのか、を確かめたことがありますか? 匿名が氾濫している世の中です。何が真実なのかを本や新聞などネット以外のものでも勉強し、情報の真偽を見極めなければなりません。本当の情報とは何かを日ごろから頭に入れておくことが求められています。


  7. ネットも人間もウィルスに弱い。"風邪"を引かないようにしよう
  8. 風邪は万病の元です。ちょっとした風邪が大病を引き起こすように、ネット上の些細なことが大事件のきっかけになったり、一人の人間の信用を失墜させる要因にもなります。どちらも日ごろからの「予防」が大事です。もしウィルスを侵されたとしても、早期の治療を施すことが自分の身を守る早道となり、万延を防いで他人に迷惑をかけることもなくなります。


  9. 命は有限、情報は無限。ネット上の言葉は消せないことを常に意識しよう
  10. 人の命には限りがありますが、その人の情報は永遠に流れ続けます。たった一度の過ちでも、ネットに掲載されたらどんなに更生して心を入れ替えても、ネット上での「いい人」にはなれません。逆にもし自分が相手に対して「馬鹿」「死ね」などと誹謗中傷した場合、その人を傷つけるばかりか、「なぜ、そんなことを書いたのか」と反省しても遅いのです。人間社会なら、「人の噂も七十五日」で消えていくのですが・・・


  11. ネットに頼るな、仲間を頼れ
  12. ネット情報を集めて、自分なりの意見や思いをまとめることは悪いことではありません。でも、あくまでも他人の書いた情報をもとに「自分」を表現するだけで、時に偏りがちな文章になることもあります。ネットに依存し過ぎるよりも、仲間と会って話をしていると幅の広い見方もでき、知らなかった知識も与えてくれます。叱咤激励も心強く感じられます。人間を育てるのは人間であり、とりわけ気心を知った「仲間」を頼ることができたらいいですね。


  13. ネット上でも礼儀を忘れないようにしよう
  14. 手紙を書いたり、電話をしたり、直接会っているときには礼儀正しいのに、ネットに向かうと相手に対する礼儀を忘れてしまうことが多々あります。その安易さが若い人には受けているのかもしれませんが、どんな時でも常に相手を敬う気持ちは必要です。相手に嫌な思いをさせない、という心配りや気配りを持ってネットに応対しましょう。


  15. 創作を楽しみながら、自分の意思表示、自己表現の力をつけよう
  16. 「自分」という人間は、この世に一人しかいません。当然のことですが、人というのは常に周りの人を意識してしまい、自分の意思表示や自己表現をすることを避けてしまいがちです。でも、それでは「自分」が可哀想です。自分だけにしかできない創作活動にいそしみ、ネットでもしっかりと意思を表して自己表現することが大切なのです。創り出す喜びを感じてみましょう。


  17. ストップ!"ながら"携帯
  18. 歩きながら携帯画面を見ていたり、メールを打っている人を見かけませんか? 事故のきっかけを作っているようなものです。下を向いていたら、信号の変わるのも、前から自転車や車が来るのにも気づくのが遅れます。最近、車や自転車に対しては法規制が敷かれていますが、最も弱い立場の歩行する人が自ら危険を呼び込むようでは事故は減りません。自分だけが楽しめればいい、という思いを捨てて、"ながら"携帯は絶対にしないとそれぞれが心に期すべきです


  19. そんなに急いで、どうするの? 時には携帯電話、電子機器を手離そう
  20. 時間の流れが速い時世です。ネットでのやり取りもすぐに書き込む習慣ができてしまいました。しかし、何かをしているときにネットに向かう必要があるのでしょうか。食事をしたり、道を歩きながらスマホをいじる姿は周りから見ていても気持ちのいいものではありません。生活にメリハリをつけることは、心にゆとりをもたらします。階段に踊り場があるように、ちょっと休んで考えてみたり、人と会話をすることは大切なことなのです。スマホから少しでも離れてみる勇気を持ちませんか。外へ出て、自分の五感で物事を感じられるようになったら、ものの見方もきっと変わるはずです。

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