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2018/08/24
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松本大学大学院修了生・増澤諒さんの修士論文がアメリカ生理学会誌に採択

松本大学大学院 健康科学研究科
准教授 河野 史倫

骨格筋の種類には遅筋と速筋があります。遅筋はエネルギー代謝能力が高いため、生涯の健康維持に重要だと考えられています。運動習慣は遅筋特性を高めますが、実際のところ運動による筋の変化は部分的で、速筋が完全な遅筋に変わることはありません。「遅筋と速筋は何が違うのか?」を解明するため、今回我々は遅筋・速筋の遺伝子構造の違いをラットを使って研究し、その成果がアメリカ生理学会誌「Journal of Applied Physiology」に掲載されることになりました。

急性のランニング運動を行った後、PGC-1αという代謝を高めるために重要な遺伝子の発現が高まります。速筋では遺伝子が読み出しやすい状態になっており、より多くの遺伝子がコピーされていることが分かりました。この結果は、速筋の方が生理的な刺激に対して強く応答することを示しています。速筋が完全に遅筋になれない背景には、このような遺伝子応答の強さが関係していると考えられます。

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