新着ニュース

  • 教育研究情報

黒川優准教授の研究成果が、米国生理学会誌に掲載されました

-体脂肪を燃やす「褐色脂肪」の働きを左右する新たな仕組みを解明-

松本大学大学院 健康科学研究科・人間健康学部健康栄養学科の黒川 優准教授が共同研究者として参画した研究論文が、米国の権威ある専門誌 American Journal of Physiology - Endocrinology and Metabolism に掲載されることになりました。

本研究では、体温維持やエネルギー消費を担う「褐色脂肪(かっしょくしぼう)」の働きに注目し、その機能を支える栄養素"セレン"の代謝が乱れると、褐色脂肪に脂肪がたまりやすくなることを明らかにしました。

セレンは健康維持に欠かせない微量元素で、体内では「セレノプロテイン」と呼ばれる酵素群の材料として働いています。今回の研究では、セレン代謝を担う酵素がうまく働かないと、褐色脂肪のエネルギー産生機能が弱まり、結果として肥満につながる可能性が示されました。

この成果は、肥満や代謝異常の仕組みを栄養学的な視点から解明するうえで重要な知見となるものです。黒川准教授は、セレノプロテイン研究の国際的な専門家として、本プロジェクトにおいて動物組織中のセレン量の詳細解析を担当しました。

黒川准教授は次のように述べています。

「褐色脂肪は"脂肪を燃やす臓器"として世界的に注目を集めています。今回の成果は、栄養素であるセレンが褐色脂肪の働きを支える鍵であることを示すもので、将来的な生活習慣病予防に役立つ知見になると期待しています。」

このページ先頭へ