人間健康学部 健康栄養学科
健康栄養学科

管理栄養士の仕事

管理栄養士の仕事

栄養バランスのとれた食事をもとに、毎日の健康を支える管理栄養士。
 自らの人生を実り多いものにするために、健康はとても重要です。その健康を支えるもとになるもの、それが栄養=食です。“食あるところに管理栄養士あり”といっても過言ではないほど、その活躍の場は幅広く、働き方も多彩です。
栄養バランスのとれた食事をもとに、毎日の健康を支える管理栄養士。
学校健康教育栄養士 学校給食センター
栄養教諭
行政栄養士 保健所
市町村の保健センター(特定保健指導)
研究教育栄養士 大学教員
研究・教育機関
集団健康管理栄養士 一般企業等(集団給食管理・従業員の健康管理)
食品メーカー開発研究
地域活動栄養士 行政や病院から委託された栄養指導
(健診・保健指導、診療所の外来食事指導)
一般企業等から委託された栄養指導
病院栄養士

入院患者の栄養管理

外来栄養指導、入院時栄養指導、訪問栄養指導

福祉栄養士

介護老人福祉施設、障害者施設、その他

保育園・児童福祉施設等

その他 スポーツ選手・運動に関わる管理栄養士
健康栄養に関わる起業家
 健康栄養学科で取得を目指す資格の1つが、国家資格である「管理栄養士」。資格を得るには、まず管理栄養士課程を修了して受験資格を得た後に、国家試験に合格する必要があります。
2010年度初めて卒業生を輩出した健康栄養学科では、卒業生数70名中、希望者68名が受験。そのうち44名が合格しました。今後はさらに多くの学生が合格できるよう、教職員一同、学生のサポートを行っていきます。
 管理栄養士は、ひとことでいえば「食から健康をつくるプロフェッショナル」です。その仕事は、健康づくりや病気予防のための献立作成から 栄養指導・相談、地域の健康づくりまで実に多彩です。
そこで、松本大学健康栄養学科の実習先にも予定されているJA長野厚生連篠ノ井総合病院・栄養科の全面的な協力を得て、管理栄養士の一日を取材させていただきました。

管理栄養士の世界

栄養士と管理栄養士の違いとは

 法律によれば栄養士とは都道府県知事の免許を受けて「栄養指導を行う」者としか規定されていないのに対し、管理栄養士とは厚生労働大臣から免許を受けて「傷病者に対する指導」、「個人の身体状況や栄養状態に応じた健康の保持増進のための指導」、「特別な配慮を必要とする施設の給食管理」等を行なう者と規定されており、より高度な専門知識や技術が必要とされています。

NSTって何?

 NSTとはNutrition Support Team(栄養サポートチーム)のことを意味します。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など職種の壁を越えたメンバーで構成され、各々の専門知識や経験を持ち寄り相談しながら患者のケアを行います。栄養障害は治療や予後に重篤な影響を及ぼすことから、チーム一丸となって栄養状態の改善に取り組みます。医療の基本ともいえる栄養管理は、NSTに象徴されるように大きな役割を果たしています。

コミュニケーションを通して健康づくりに貢献

 患者さんが求めているのは、栄養だけではなく、健康回復のための食欲増進にもつながる味や見た目なのです。そのため、どんな材料でもおいしく調理できる腕のよい調理師さんとの連携が欠かせません。
病院の管理栄養士は、栄養指導や日々のメニューづくりをはじめ、出産後のお祝い料理、行事食、バイキングなど、栄養に関する専門知識をもとに発想力を活かしたり、人とのコミュニケーションを通して、健康づくりに幅広く貢献していく職業なのです。

病院だけではない活躍の場 !!

 管理栄養士は病院のイメージが強いかもしれませんが、介護施設や児童福祉施設、学校やスポーツ界など、さまざまな業界で活躍しています。長野県内には管理栄養士を養成する機関がありませんでした。長野県に限らず高齢者が多い日本は健康に関心が強く、今後管理栄養士の需要はさらに高まっていくと考えられます。

篠ノ井総合病院オリジナルバイキング形式の栄養教育

 バイキング料理というと、好きなものがたくさん食べられるというイメージが強いのですが、病院で何かと制約の多い患者さんの気持ちを考え、食事を楽しんで戴きたいとさまざまなメニューが並んでいました。試行錯誤を経て現在では管理栄養士が夕食時に病棟の食堂まで出向き、選ばれた料理の内容と量から栄養計算を行っています。
患者さんからは「病室とは違い気分転換になる」と家庭的な温かい雰囲気が喜ばれ、「自宅では食べる量が多かった」とこれまでの食生活を振り返るきっかけにもなり好評です。

チーム力が栄養管理に活きる

チーム力が栄養管理に活きる管理栄養士を中心に、医師や看護師とのミーティングを経た後、三者揃って個々の病室を回診する。患者の病状を把握し、コミュニケーションを図ることが日々の栄養管理にも活かされる。

個別対応が求められる時代

個別対応が求められる時代入院患者一人ひとりの容態を見てまわったり、外来の栄養指導をすることも病院の管理栄養士の重要な仕事。信頼関係を築くことが健康づくりの第一歩。

食材発注や栄養価計算は仕事の基本

食材発注や栄養価計算は仕事の基本篠ノ井総合病院では、特に食事療法が病状に影響しやすい外来の透析患者に対し、個別の栄養管理や指導の他、お弁当の提供などを行い、日常の食生活のあり方から密にサポートしている。

現代社会に求められる心強い存在に”ホスピタリティ“の本質を見た

医師や看護師、調理師等との連携で
管理栄養士の力はさらにパワーアップ

 篠ノ井総合病院の初代院長は語る。「患者にとって望ましい医療とは、安らぎを与える心地よい環境においしい食事・そして労わりと思いやりの心をもったサービスです」この考えのもと、適温での食事の提供や選択メニューは当然ながら、管理栄養士を中心に新しい発想やさまざまな活動が実践されてきた。医師や看護師、調理師等と連携を密に図りながら、真のホスピタリティの心をベースに、患者本位の食の追求に取り組む。
管理栄養士としての経験が十五年を超えるベテランの大久保早苗さんは、医師と看護師と打ち合わせをした上で、各病室を回診する。「お食事は個々の患者さんの病状、状態に合わせた個別対応が大切。ドクターやナースと一緒に取り組むからこそ適切な栄養メニューを提供できるのです」とやりがいと責任を強く語ってくれた。
血液検査の結果や身体の状況などがわからなければ、エネルギーが不足しているのか、たんぱく質が不足しているのか判断がむずかしい。そんな時はカルテだけでなく、医師や看護師、他の医療スタッフとの情報交換が重要になる。NST(栄養サポートシステム)という概念はまだまだ一般には浸透していないが、管理栄養士はNSTのキーパーソンとして、ますます重要視されているのである。

管理栄養士のアイディアが光る病院食
人に喜ばれることも栄養の素になる

 午前中、外来患者の健康栄養相談に応じ、午後は病棟をまわる西巻かおりさん。「ご説明を重ねると食事療法の大切さを理解していただけるのですが、継続するのは難しい。それぞれのご家庭でできることを一緒になって考えていくよう努めています。その成果が、検査結果に目に見えて現われたり、喜びの声をいただいたとき、自分の仕事にやりがいを感じます」と話す。
病院では、一般向けに糖尿病・腎臓病教室を開催したり、病院外でも地域に出向いて身近な食材を使ったメニューの調理法や栄養指導を行い、自分たちの専門を活かした健康づくりを率先して行っている。
また、特にこの病院独自の栄養教育として注目されているのが、バイキング食。「メニューづくりにも、面白さを感じますが、バイキングの場で実際に患者さんやそのご家族と接すると、おいしいとか、家でも作ってみようとか、直に反応をいただけるので、ますますやる気がでます」と、経験が浅いながらも積極的に取り組む勤務二年目の中澤美保さん。
管理栄養士五年目の城向章子さんも「患者さんから教えていただくことが多いですね。いくら健康によいからといってできないことを無理におしつけない。これならできるというところからはじめて信頼関係を築いていくことが大切です」と語る。
管理栄養士は、食事の栄養管理だけではなく、人と人との気持ちが通じ合う関係を築くという面からも健康をサポートしていく仕事なのだ。

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