2026
07.06
教育研究情報/アウトキャンパス・スタディ事例
「国語科教材研究」で「平家物語」研究・木曽町義仲館へ
学校教育学科
准教授 上月 康弘
7月4日(土)、「国語科教材研究」の授業で、木曽町の義仲館へアウトキャンパス・スタディを行いました。
前回の授業で、学生たちは「平家物語」の覚一本版(語り本系)のテクスト、「木曽の最期」を読み、内容を理解しました。
木曽町の義仲館では、館長より『平家物語』「木曽の最期」に描かれる源義仲についてご講話をいただきました。


講話では、『平家物語』では義仲が「田舎育ちで粗暴、品がない武将」として描かれる場面がある一方で、地域に伝わる義仲像は大きく異なることが紹介されました。義仲は、乳母子であり生涯の盟友でもあった今井兼平をはじめ、家臣との強い絆を大切にし、最後まで仲間とともに生きようとした、情に厚く義理堅い人物としての一面があります。義仲館では、そのような人間味あふれる義仲像を来館者に伝えることを大切にしているとのことでした。
また、義仲は『平家物語』だけでなく、手塚治虫の漫画『火の鳥』にも登場するほか、俳人・松尾芭蕉も深く敬愛した人物として知られています。芭蕉は、義仲が眠る滋賀県大津市の義仲寺に、自らもその隣に葬られることを望み、現在も二人の墓は並んで建てられています。このように、義仲は文学や芸術、歴史の中で時代を超えて人々を魅了し続けている人物であることを学びました。
学生たちは、館長の話に熱心に耳を傾けるとともに、積極的に質問を行い、『平家物語』「木曽の最期」の背景や、文学作品と地域に伝わる歴史・文化との関わりについて理解を深めました。文学作品は、作品そのものを読むだけではなく、歴史や地域文化、多様な資料と関連付けて学ぶことで、登場人物の人物像や作品世界をより立体的に捉えられることを実感する機会となりました。
講話の後は、中山道の宿場町として栄えた奈良井宿を文学散歩しました。歴史ある町並みや史跡を巡りながら、木曽の風土や文化に直接触れることで、テクストと地域文化とのつながりについて見識を広げる貴重な学びの機会となりました。
