教育研究情報

噺家・三遊亭神楽さんから、特別講義及び落語の講演をしていただきました

学校教育学科
准教授 上月 康弘

7月10日(金)、「国語科概論」の授業で、東京から三遊亭神楽さんをお呼びし、特別講義を行っていただきました。

前回の授業で、学生たちは、指導要領では、伝統的な言語文化において「親しむ」ことが重要視されていることや、「親しむ」とは何か、ということについて考えてきました。

また、高等学校の古典の学習から、古典の授業は品詞分解や現代語訳、暗記などの受験勉強のイメージがしっかり沁みついてしまい、「古典が嫌い」という学生が日本でとても多いということを確認してきました。

そのうえで、子どもの前に立つ教師・大人が伝統的な言語文化とどのように向き合えばよいのか、ということについて考えを深めてきました。

今回はその延長で、神楽さんからお話をいただいた形になりました。落語についてのお話を要約すると、下記のような内容でした。

・落語は、世界的に見ても稀な伝統芸能である。敬語が多く、一人称や二人称の多彩さのある日本語の特性によって表現される。

・日本語は五十音なので、音のバリエーションが少なく、言葉の韻を使ったり、洒落がいいやすかったりする。

・落語は、演じる方も大切だが、聴く側の理解力や想像力も大切。能動的に聴かないと落語を愉しむことはできない。

・辻話といって、道端で噺をして、面白かったらお金をもらう、という芸の形態もあった。

・古典落語の場合は、ネタを持っている人に教わる必要がある。その人から教わったことを覚えて、その人に聞いてもらって、許可を得ることでお客さんの前で演じることができる。

・せんすと手ぬぐいを使って、色々なしぐさを演じ分けることができる。       など

その後、落語の実演では、「牛ほめ」と「荒大名の茶の湯」を披露していただきました。

「牛ほめ」のあらすじは次のとおりです。

牛ほめ

間抜けな与太郎を心配した父親は、伯父・左兵衛の新築祝いに行かせ、家や牛をほめる言葉を覚えさせます。最初は何度も言い間違える与太郎でしたが、お小遣いがもらえると聞くと真剣に練習します。また、台所の柱の節穴には「秋葉様のお札を貼れば火の用心になる」と助言するよう教えられます。

左兵衛の家では、与太郎は教わったとおりに新築の家をほめ、柱の穴への助言も見事に成功し、お小遣いをもらって感心されます。しかし最後に牛をほめている最中、牛が糞をしたため、与太郎は柱の話を応用し、「牛のお尻の穴にも火の用心のお札を貼れば、穴が隠れて屁の用心になりますよ」と場違いな助言をしてしまいます。

荒大名の茶の湯

豊臣秀吉の死後、徳川家康は団結する七人の武将を味方に引き入れるため、本多佐渡守に茶会を開かせます。しかし、茶の湯に不慣れな武将たちは、茶道に詳しい細川忠興の動きを何でも真似し、次々と滑稽な失敗を繰り返します。茶室への入り方や茶の飲み方でも大騒ぎとなり、最後には福島正則が茶碗を回して放り投げる始末となりました。

神楽さんの演じ分けや動き、矢継ぎ早に展開、変化していくお話しぶりに、会場は大爆笑に包まれました。相変わらず、ものすごい発話量とエネルギーでした。

今後は、さらに伝統的文化への「親しむ」ということについて考えを深めていく予定です。

神楽さん、大変ありがとうございました。

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