2026
07.20
教育研究情報/アウトキャンパス・スタディ事例
健康栄養学科1年生が食肉衛生検査所で早期体験学習を実施― 食の安全と「命をいただくこと」を学ぶ ―
健康栄養学科
助手 福岡 歩美
2026年5月13日・20日、健康栄養学科1年生を対象としたアーリー・エクスポージャー(早期体験学習)を、松本市食肉衛生検査所(長野県松本市大字島内9839番地)にて実施しました。
アーリーエクスポージャーとは、大学入学後の早期(Early)に食と栄養に関する様々な分野の現場に触れる(Exposure)体験を通して、専門職としての使命感を育み、大学での基礎的な学びに対するモチベーションを高めることを目的としたプログラムです。1年生を対象にさまざまな職業体験を行うことができる、健康栄養学科の特色ある活動となっています。
松本市食肉衛生検査所は、食肉の安全・安心を守るため、と畜検査や衛生指導を行っている機関です。検査所では、「と畜場法」「牛海綿状脳症対策特別措置法」「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」などに基づき、獣医師である検査員が家畜の健康状態や食用としての適性を確認しています。こうした検査を経た食肉が、私たちの食卓へ届けられています。
当日は、牛や豚などの家畜が搬入される様子や、生体検査、解体検査、枝肉検査など、実際の検査工程を見学させていただきました。学生たちはヘルメットや白衣、手袋を着用し、衛生管理が徹底された場内で、普段目にすることのない現場を真剣な表情で見学していました。







また、座学では、松本市保健所食品・生活衛生課および食肉衛生検査所の担当者の方々より、食品衛生監視員の役割やHACCPに基づく衛生管理、食肉衛生検査の流れについてご説明いただきました。
講話の中では、「家畜は生きた状態で搬入され、検査を経て食品として流通していくこと」、そして「解体処理の過程では細菌汚染を完全にゼロにすることは難しいため、現場では『細菌をつけない・増やさない』ための管理が徹底されていること」など、食品衛生の現場ならではの貴重なお話を伺うことができました。


健康栄養学科では、管理栄養士国家試験受験資格に加え、食品衛生管理者・食品衛生監視員・HACCP管理者など、「食の安全」に関わる資格取得を目指すことができます。
私たちは日々、さまざまな食品から栄養を得ています。しかし、その前提には「安全であること」があり、さらにその背景には、多くの人々の衛生管理への努力と、家畜などの命があります。
今回の研修を通して、学生たちは「食を支える現場」を学ぶとともに、「命をいただくこと」についても改めて考える貴重な機会となりました。
以下、参加後の学生の声です。
〇 実際に生きている家畜と加工される過程の家畜を見ることで、命を頂くということのありがたみや尊さを実感することができました。
〇 食肉衛生検査所を見学し、普段何気なく食べているお肉が、厳しい検査や徹底した衛生管理を行い安全に流通していることを学べました。特に、病気の有無を目視などで細かく確認する検査の様子や、器具や作業場の清潔さを徹底している点が印象に残りました。
〇 印象に残ったのは、食肉の検査をする回数の多さです。牛や豚が運び込まれてすぐと生きた状態の観察、その後解体してから臓器や枝肉となった後などたくさん検査することがありました。実際に見学し、いつどんな場所でどのように検査が行われているか聞くことで1頭1頭チェックする大変さを学ぶことができ、安心安全でお肉をたべられることのありがたさを改めて実感しました。
〇 管理栄養士の就職先が、病院などの臨床だけでなく、このような形で働く方法もあるのだと知り他にどのような就職先があるのか興味が湧きました。今回のアーリーエクスポージャーで視野が広がったため、非常に有意義な時間になりました。