2026
08.17
教育研究情報/アウトキャンパス・スタディ事例
御嶽山アウトキャンパススタディ
1984年長野県西部地震、2024年御嶽山噴火を学ぶ
観光ホスピタリティ学科
教授 入江 さやか
総合経営学部観光ホスピタリティ学科で防災を学ぶ学生約40人を対象に、7月5日・19日の両日、木曽の御嶽山麓でアウトキャンパススタディを実施しました。
御嶽山周辺では、1984年9月14日に「長野県西部地震(マグニチュード6.8)」が発生。御嶽山の南斜面で大規模な山腹崩壊が発生し、地すべりや土石流による死者・行方不明者は29人にのぼりました。また、2014年9月27日には御嶽山が水蒸気噴火し、死者58人・行方不明5人の戦後最悪の火山災害となりました。
アウトキャンパススタディに参加したのは「災害調査論」を履修している学生、入江ゼミで防災を学んでいる学生約40人です。「災害調査論」の授業では、事前に2つの災害に関する資料や新聞記事を読んだり、ニュース番組などを視聴するなど、アウトキャンパススタディへの準備をしてきました。
7月5日・19日とも、御嶽山ビジターセンター「やまテラス三岳」(木曽町)と「さとテラス王滝」(王滝村田ノ原)を訪問しました。「さとテラス三岳」では、御嶽山火山マイスターの方々の解説を受けながら、噴石で損傷した山頂の階段の手すりや御嶽神社の社務所の壁などの展示を見学し、御嶽山噴火発生時の状況や捜索活動の困難さなどについて学びました。
その後標高2100メートルの「やまテラス王滝」に移動しました。御嶽山火山マイスターの案内で登山の起点となる御嶽神社田ノ原遥拝所付近まで歩き、登山者に対して噴火への備えを呼びかける看板を確認したり、田ノ原周辺の高層湿原で植物を観察するなど、火山の脅威と恵みの両面を学ぶことができました。
アウトキャンパススタディに参加した学生のレポートでは「火山と共に生きる地域では、恵みと危険が表裏一体であり、災害の記憶を風化させず後世に伝えていく仕組み(マイスター制度や展示施設など)が防災意識の維持に重要な役割を果たしている」「今回のアウトキャンパススタディでは、災害について学ぶだけではなく、自然との関わり方についても考えるきっかけになった。災害の歴史を忘れてはいけないと思う一方で、御嶽山は今では多くの人が自然を楽しめる素晴らしい場所になっている」などの考察がなされ、災害の記憶の継承や御嶽山の自然の豊かさについて深く考える機会となったことがうかがえます。
なお、このアウトキャンパススタディの様子は、信濃毎日新聞の8月2日付け朝刊でも紹介されました。

登山者に対して噴火への備えを呼びかける看板について説明を受ける学生たち

田ノ原周辺の湿原で植物についての解説を聞く学生たち