2026
08.04
教育研究情報
筑波大学山岳科学センター長 呉羽 正昭教授「日本のスキーツーリズムはどのように変化してきたのか」特別講義が行われました
総合経営学部長
教授 清水 聡子
2026年7月10日、総合経営学部「マーケティング論A」(2年次必修科目)において、筑波大学山岳科学センター長 呉羽 正昭教授による「日本のスキーツーリズムはどのように変化してきたのか」の特別講義が行われました。

特別講義では、スキーツーリズムの構造が示され、日本におけるスキーツーリズム盛衰を第二次大戦前期、第一次ブーム期、第二次ブーム期、停滞期の4期に分けて解説されました。山スキー(ツアースキー)からゲレンデスキーの定着、リゾートタウンの発展、スキーのファッション化、リゾート開発ブーム、スキーブームの終焉、スキー場の閉鎖・休業、インバウンドツーリズムとスキーツーリズムの変遷について、そして長野県とスキーツーリズムについて説明されました。展望と課題として、スキー場(リゾート)の性格付け、顧客は誰か、タイプ別、規模や場所、戦略で判断することを説き、インバウンド対応を継続することは不可避であり、長期滞在の推進とともに、持続可能なスキー観光へ、と学生に向けて語られました。

ここで、4名の学生の感想を紹介いたします。
▶ 今回の授業では、日本のスキーリゾートが時代によって大きく変化してきたことを学んだ。特に、バブル期にはスキー人口の増加によって多くのスキー場が発展した一方で、その後の景気低迷やレジャーの多様化によって衰退していったことが印象に残った。また、現在では外国人観光客の増加や地域資源を活用した取り組みによって、新たな価値を生み出していることを知った。単にスキーを楽しむ場所ではなく、地域の文化や自然を活かした観光地づくりが重要だと感じた。今後は、時代の変化や利用者のニーズに合わせた柔軟な取り組みが、スキーリゾートの発展には必要だと思った。
▶ 自分は3、4歳くらいの頃からスキーをやっていて今も続けているが、本日の講義でおっしゃっていたようにやはりその頃と比べてスキー人口が減っているのは明らかだと感じるし、雪の質も下がり、量も減ってきていると感じる。スキー人口を元に戻すには、周りを見ても年齢層は高めだからもっと若者にスキーの魅力を知ってもらう必要があるのではないかと感じた。
▶ 長野県の魅力はやはり大自然だと思います。また私は去年の冬にスキー場でアルバイトをしていたため今回の講義の議題であるスキー、スキー場のお話はとても身近に感じました。時代の流れとともにスキー場に訪れる客層が変わっていることや、スキー場によってターゲット層などが変わってくることは、とても勉強になりました。
▶ 1980年代から1990年代初めにかけての「第2次スキーブーム」の時は、若者を中心にスキーが大流行し、スキーをする人がとても多かったことがグラフからよく分かりました。しかし、1993年頃からはブームが終わり、スキーをする人も、新しく作られるスキー場の数も大きく減ってしまったことに驚きました。そうした厳しい時期の中で「救世主」となったのが、外国からの観光客だったというお話がとても面白かったです。白馬やニセコなどでは、海外の人たちが長く滞在しやすいように、家のようにくつろげるアパート型の宿泊施設が増えているという工夫を知り、なるほどと思いました。自分が住んでいる長野県のこれからの展望としては、ただお客さんを待つだけでなく、「誰にどのようなスキー場として来てほしいのか」といった特徴づくりをしっかり決めることが大切にされています。これからは短い旅行ではなく、海外のように長く滞在して楽しんでもらう仕組みを作ることや、地元で暮らす人たちの生活も大切にする「持続可能な観光」を目指すことが必要だというお話は、これからの地域の経営や町づくりを考えるうえで、とても大切な視点だと感じました。
呉羽教授のご講義は、第2期「信州山学マイスター養成プログラム」、2026年8月11日の山の日より配信が開始されます。本学の学生の皆さんは無料で聴講できます。是非ご視聴ください。
呉羽 正昭教授の特別講義は学生への大きなプレゼントとなりました。心より感謝申しあげます。ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。